夏の主役?小さな籠城者との対話
『お、おい!』大学生の息子(元野球部)が、バットで壁にかかっていた紙袋をつついた瞬間ぶーーーんと羽を広げて2メートル先の窓のカーテンへ。
『うわーーーーーー!!!』息子と二人で久しぶりに大声をだした
そして、寝室の窓側にある大型コピー機のトレーの中へ逃げ込んでいく。
『出ておいで!』私はバットを付きだし、そーっとコピー機に近づく。トレーの奥から長い触角がゆらゆら動いている。
『コピー機はアカン!ぜったいそこはアカン!すぐ出ておいで』トレーを覗き込んでみた。目が合った
しばらくお互いで見つめ合った
『出ておいで。ぜったいに、ぜったいに殺さないから…お願い出てきて』
祈るように声をひそめて…
すると触角が目の前に飛び出してきて、するっと窓のほうへ身を翻した。
一気に窓を開けて『早く!行き!』
するとぱっと外に出てバルコニーの壁に一瞬とまり、こちらを見て触角を動かして飛んでいった。
バーン!瞬時に窓を閉めた。『あーーーーーーやっといった』っとその場でへなへなと座り込んだ。
生まれてはじめてのゴキブリとの対話だった。
後で息子に聴いたのだが、まるで小さい子どもに言いきかせているようだったらしい。
そりゃそうだ。
大切なコピー機の中に住まわれたらたまったもんじゃない。仕事にならない。
殺生してコピー機の中で死なれても困る
仮に機械が動いて中で粉々になられてもいやだ。
というか、ゴ◯◯◯のコピーがたくさん出てきたらもっといやだもんwww
仕事道具の小さな籠城者にちょっと命を削られた気になった。
【あぶら虫バット付きだし寝室へ】陽子
ごきぶり(油虫)は俳句では夏の季語。一句の主役になるなんて…(*_*)