母の日の今日、お母様が亡くなられた方のそばにいました。私が通っている美容院の美容師さん。
ご夫婦でお店を切り盛りされているのですが、その奥さまのお母様がどうも今日明日が山だと。
たまたまその時間だけ、客は私一人でした。ブローも終わるころお店の奥のほうで、かすかに『お母さん!おかあさんー』と呼び掛ける声がします。
ご主人曰く電話で病室のお母さまにああやっていつも呼びかけていらっしゃるとのことでした。
その直後目を真っ赤にした奥さまが出てこられ、ご主人にむかって首を横に降りました。
ご主人が『今日はこれでお店を閉めて鹿児島へ帰ることになりそうです』と話してくれました。
奥さまはそれを聞き『お客様にそんなこと言わないで!』
そして私の方を見て『ごめんなさいね…こんなこと』と必死で平然を装いながら言われていました。
私はその姿に言葉もでず、ただただ首をふったりうなずくばかりでした。
会計のあとお二人はご丁寧に外までお見送りくださり『ありがとございました。今日はこのあとお仕事ですか?おでかけですか?』と
本当は母の様子を見に行く前にヘアスタイルを整えたいと思い行ったのですが、さすがにそれをは言えず…
とっさに私は『あ、あ、あのデートなんです』と口からでまかせを。
おふたりは急に笑顔になられ声を揃えて『ひゃーいいですねーーだれと?』えー!そこつっこむ?
私『あ、あの、あの内緒の人です』く~苦し紛れ
奥さま『ひゃー!尚楽しみですね!いいわぁ~楽しんできてくださいね。ヘアカラーももきれいに入ってますから。大丈夫うまくいきますよ!』私『いいヘアスタイルに仕上げてくださり本当によかったです。がんばってきます』と…お店をあとにしました。
悲しみに直面した方へかける言葉…難しいですね。
以前ラジオで葬儀社の社長さんとトークする番組を担当していた頃
そういう時、ただただ相手に合わせてテンションをひくくするのではく、あるがままの自分と言葉を伝えたほうがいいと言われたことをおもいだしました。
人って、ちょっとでもよい言葉かけようとしたり、取り繕ったりすると言葉がでなくなります。私はそんな経験ばかりしてきました。
伝えたいという想いと相手を思いやる気持ちがあれば、自然とその時には言葉もつながるものですね。
なんて…またわかったふりをする。
お店をでると不思議な空の色でした