亡き父は8月15日になると毎年客間で大の字になり
レコードをかけていた。それも軍歌…
子どものころ、その姿が不思議でならなかった。
幼稚園の夏私は母に『お客間でお行儀わるいねお父さん』と言うと
母は『しー!陽ちゃん、お父さんはね、お空にいる大切な人とお話してるのよ。だからそっとしてあげてね』
その時全く意味がわからなかった。
父は16歳のとき広島県江田島で終戦を迎えた。
海軍兵学校77期生(現在海上自衛隊第一術科学校)
父からこの時代の話はほとんど聴いたことがない。
今年下の息子が父のその当時の歳、満16歳になった。
高校の軟式野球部に所属していて、
本当は今日から合宿に行くはずが、台風のためオフになった。
時間ができたため
母のところへ連れていって父の御霊にご挨拶。
8月15日…
毎年必ずなんらかの形でメッセージを受け取る。
仕事であったり、映像であったり、いつもと違う音であったり。
この日は天に召された大切な人が帰ってくる日
今年も静かに祈りを捧げ後世に伝える日になった。